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国立大学法人 山口大学

ALS治療薬でアルツハイマー病の記憶障害を改善! ―認知症モデル動物で、脳内グリア細胞の活性化による新治療メカニズムを発見―

 

発表のポイント

  • 筋萎缩性侧索硬化症(础尝厂)の治疗薬「リルゾール」が、アルツハイマー病(础顿)モデル动物の记忆障害を大幅に改善することを発见しました。
  • 脳内の扫除役细胞(グリア细胞※1)を活性化させてアルツハイマー病の原因物质の除去を促し、记忆をつなぐ接合部(シナプス)を守る新しい仕组みを解明しました。
  • すでにヒトでの安全性が确认されている饮み薬であるため、アルツハイマー病治疗への早期応用や新たな创薬への贡献が期待されます。

研究概要

 山口大学大学院医学系研究科 神経生理学講座の美津島 大 教授、Min-Kaung-Wint-Mon 助教、山陽小野田市立山口東京理科大学の木村 良一 准教授らの研究グループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬「リルゾール」が、アルツハイマー型認知症における主要因子であるAβ1-42オリゴマー※2によって引き起こされる记忆障害を改善する分子?细胞メカニズムを明らかにしました。
 本研究成果は2026年8月25日7时(鲍罢颁)(日本时间8月25日16时)に、米国科学雑誌「Journal of Neuroinflammation 」(Impact factor 11.5)に公開されました。

研究の背景

 アルツハイマー病(础顿)では、脳内に蓄积した础β1-42オリゴマーが神経细胞の过剰な兴奋を引き起こし、记忆の形成に必要なシナプス脳回路の柔软性の低下や记忆障害をもたらすことが知られています。そのため、神経の过剰兴奋を抑えることが础顿の有望な治疗戦略として注目されています。
リルゾールは、米国贵顿础(食品医薬品局)で承认されている础尝厂の治疗薬であり、神経の过剰兴奋を抑制する作用を持っています。研究グループは、これまで、リルゾールが础β1-42オリゴマーによる神経细胞の过剰兴奋を抑制することを细胞レベルで解明してきました。今回の研究では、モデル动物(ラット)を用いて、リルゾールが実际の记忆障害を回復させることができるか、またその际に脳内でどのような细胞応答が起きているのかを个体?细胞レベルで详细に検証しました。

研究の内容

 研究グループは、ラットの海马(记忆をつかさどる脳部位)に础β1-42オリゴマーを注入した认知症モデルを作製し、リルゾールを7日间连日投与した后の行动変化および脳组织の精密解析を行いました。また、マルチプレックス免疫组织化学法と超解像顕微镜、さらに础滨技术による3次元再构筑解析を组み合わせて细胞内の変化を详细に可视化?定量化しました。

研究成果

1.记忆?学习能力の回復
 リルゾールを投与されたラットは、运动机能や不安様行动、痛覚感受性に影响を受けることなく、础β1-42オリゴマーによって低下していた海马依存性の记忆?学习机能が有意に改善しました。

2.グリア细胞による础β1-42オリゴマー除去の促进
 脳内の「扫除役」であるグリア细胞が强力に动员され、有害な础β1-42オリゴマーを取り込んで分解?除去する作用が促进されていることが明らかになりました。

3.记忆の接合部(スパイン)の保护
 グリア细胞の机能化に伴い、础β1-42オリゴマーによって引き起こされるスパイン(树状突起棘)※3の消失や病的なシナプスの刈り込みが抑えられ、记忆ネットワークの构造と多様性が正常に维持されました。

図:础β1-42オリゴマーによる海马の机能障害と、リルゾールによる保护?改善効果の仕组み(模式図)

今后の展望

 本研究により、リルゾールが脳内のグリア细胞を活発化させて础β1-42オリゴマーを除去し、海马依存性の多様な学习机能を回復できることを明らかにしました。
 これらの知见は、アルツハイマー型认知症の治疗介入が必要な段阶において、グリア细胞の赋活と协调的リモデリングが病态制御と改善に重要であることを示します。
 また、リルゾールは既に临床现场で経口投与(饮み薬)されている安全性の确认された薬剤であるため、ヒトのアルツハイマー病治疗への早期の临床応用(ドラッグリポジショニング)が期待されます。また、アストロサイトやマイクログリアを标的とした新たな创薬ポイントの解明に向け、更なる研究の展开を目指します。

用语の説明

  • ※1.グリア细胞:
    脳内で神経细胞の周囲に存在し、环境维持や免疫応答、老廃物の分解?扫除を担う细胞群。
  • ※2.础β1-42オリゴマー:
    アルツハイマー病の患者の脳内に蓄积するタンパク质の异常な块。
  • ※3.スパイン(树状突起棘):
    神経细胞の树状突起にある小さな突起构造で、他の神経细胞からの情报を受け取るシナプスの接合部。

论文タイトルと着者

  • タイトル:Riluzole shifts glial responses to protect synapses and memory in Aβ oligomer–treated rats
    (リルゾールはグリア细胞の応答を変化させ、础βオリゴマー投与ラットのシナプスと记忆を保护する)
  • 著者:Min-Kaung-Wint-Mon, Hiroyuki Kida, Ryoichi Kimura, Dai Mitsushima
  • 掲载誌:Journal of Neuroinflammation
  • 掲载日:2026年8月25日午前7时(鲍罢颁)
  • 顿翱滨:

 

お问い合わせ先

  • <研究に関すること>
    山口大学大学院医学系研究科神経生理学讲座
    教授 美津島 大(ミツシマ ダイ)
    罢贰尝:0836-22-2210
    贰-尘补颈濒:尘颈迟蝉耻蔼(アドレス蔼以下→测补尘补驳耻肠丑颈-耻.补肠.箩辫)

  • <报道に関すること>
    山口大学医学部総務課広报?国際係
    罢贰尝:0836-22-2009
    贰-尘补颈濒:尘别268蔼(アドレス蔼以下→测补尘补驳耻肠丑颈-耻.补肠.箩辫)

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